個人事業と法人成り⑤~資産の引継ぎに伴う個人の税務申告~

↑会社近くの愛宕神社です。時々テレビにも出てますね。

公認会計士・税理士の国近宜裕です。

さて、法人成りについての続きの記事です。
個人事業と法人成りした場合の違い①
個人事業と法人成り②~資産の引継ぎの方法~
個人事業と法人成り③~資産の引継ぎの方法の特徴:序~
個人事業と法人成り④~資産の引継ぎの方法の特徴:破~

前回まで、資産等の各引継方法について書きました。
今回は個人の税務申告について書きたいと思います。

個人の税務申告は所得税が適用されますので、以下の手順にて税務申告を行います。

①どの所得区分に該当するかを判断
②譲渡対価を算定
③必要経費を集計

まずは①の所得区分について書きたいと思います。

現物出資・売却・贈与(譲渡時)の個人の税務申告

A 事業所得

事業所得に該当するのは、原則として、棚卸資産の譲渡等のみです。
棚卸資産とは、原材料、仕掛品、製品、半製品、商品等販売目的の資産のことをいいます。

B 土地建物等の譲渡所得(分離課税)

土地、土地の上に存する権利(借地権・地役権)で一定のもの、建物、附属設備及び構築物を譲渡した場合、原則として土地建物等の譲渡所得になります。

これはいわゆる分離課税となり、他の所得と分離して単独で課税される所得になります。
(累進課税が軽減されます。)

ちなみに、一定の有価証券でその発行会社等の資産内容の大部分が土地等であれば、
当該有価証券の譲渡は、C株式等の譲渡所得ではなく、土地建物等の譲渡所得になります。

C 株式等の譲渡所得(分離課税)

株式、出資、新株予約権付社債、投資信託受益権等を譲渡した場合、株式等の譲渡所得になります。B土地建物等の譲渡所得と同様、他の所得と分離して課税されます。

D 譲渡所得(総合課税)

Bで分離課税されるもの以外の有形固定資産(例えば車両、機械装置、工具器具備品等)、無形固定資産及びその他の資産の譲渡が、総合課税される譲渡所得になります。

その他の資産とは、ゴルフ会員権、電話加入権、1個30万円超の貴金属・書画骨董等の固定資産が該当します。
ゴルフ会員権には、株式や出資と同様の性質をもつものがありますが、C株式等の譲渡所得ではなく、総合課税の譲渡所得に含まれます。

E 山林所得

立木を譲渡した場合は保有期間及び譲渡者の事業内容によって所得が異なります。保有期間5年超の立木を伐採して譲渡した場合又は立木のまま譲渡した場合は、事業内容に関係なく山林所得になります。
保有期間が5年以内のものは、事業所得又は雑所得になります。

F 不動産所得

土地の上に存する権利(借地権・地役権)の譲渡で②土地建物等の譲渡所得にならないものが不動産所得になります。

と、以上、法人成りにおける譲渡時の税務申告でした。

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